こんにちは。
りくぴいです。
家で手軽に大画面の映画や動画を楽しみたい時に便利なのがモバイルプロジェクターですよね。
BenQ GV30は69,900円のミドルクラスにあたるモバイルプロジェクターで、発売日は2021年10月12日と決して新しいモデルではありません。
ライバルメーカーでは2024年1月25日に『Anker Nebula Capsule 3』を新発売するなど、機能性をアップデートしたモデルも投入しています。
カタログ上のスペックだけではなく、使用環境・用途によって選ぶのが購入後の不満を無くすポイントです。
GV30に適した使用環境・用途は以下2点です。
- 寝ながらプロジェクターを楽しみたい
- 小さなお子さま・ペットと一緒に暮らしている
- 外付けスピーカーなしでも迫力のあるサウンドを味わいたい
白くてまるい形が印象的なBenQ GV30は135°の角度調節機構を備えており、他メーカーにはない天井投影に特化しているモデルといえます。
重量は1.6kgと決して軽い部類ではないものの、重さによる安定感が高いうえ0.7mの落下衝撃耐性がポイント。
小さなお子さまやペットがいる家庭でありがちなテーブル・ラックからの落下を気にせずに使えるのが強みですね。
今回の記事では一般的にレビューされる内容よりさらに掘り下げて、長期間使用しているユーザーとしての使い勝手のよさ・デメリットなども紹介します。
BenQ(ベンキュー)とは
BenQ(ベンキュー)は、1984年に設立された台湾を拠点とする電気製品メーカーです。
2008年に販売開始したホームプロジェクターでは、精細な映像美が評価を受けて民生用DLPプロジェクターで世界No.1のシェアを誇っています。
プロジェクター以外で有名なのが、zowieシリーズをはじめとするゲーミングモニターです。
eスポーツ公式大会でも採用されるなどの実績を持ち、ゲームをしている方なら知っている方も多いかと思います。
GV30 詳細
GV30の使って良かった・イマイチと感じる点
以下では、GV30を毎日使って良かった点・気になった点を分かりやすく紹介します。
個人的に感じるGV30のデメリットは「サイズと重さ」ではないでしょうか。
GV30はAnker Nebulaシリーズのようなコンパクト・軽量さがないため、気軽にバッグに入れて持ち運ぶのには不向きといえるでしょう。
反面、使っているうちにGV30の大きさや重量が、使い勝手のよさ・安定感につながっていることに気が付きました。
くわしく以下で説明します。
天井投影のしやすさ
生活に天井投影シアターを取り入れてみてわかったのは、人によって好みの投影位置が異なること。
寝室の定位置においていれば投影位置の調整は必要ないと考えていましたが、1人暮らしではないかぎり使用毎の調整が必要になることが分かりました。
GV30を使って便利だと感じたのは、天井投影のしやすさ。
135°の回転機構
BenQ GV30を使って便利だと感じたのは、135°回転機構による天井投影のしやすさ。
言わずもがな映像のように「クルっと」回すだけです。
一般的なモバイルプロジェクターでは天井投影に三脚やスタンドを使います。
本体が倒れないように必要に応じて両手でささえたり、数cm単位の調整をおこなう場合はこまやかな力加減が必要です。
GV30の重量は1.6kgとけっして軽くはないものの、重み自体がスライドの安定性につながっているんですね。
そのため『cm単位』の微調整がしやすいです。
- 手のひらにしっかり馴染む大きさ
- 安定感バツグンの重量
上記はデメリットに感じましたが、天井投影のしやすさにおいてはサイズ・重量による恩恵もあるなと感じたのが正直な感想です。
画像補正の早さ
GV30の画像補正は映像を投影したままリアルタイムで行うので、タイムラグがなくスムーズ。
一般的な画像補正は補正時に画面に切り替わるので、数秒の待ち時間が発生します。
- 待ち時間が長い
- 動かすたびに補正がはいるのでわずらわしい
人によっては上記のように感じる方もいるようです。
GV30には最新モデルのNebula Capsule 3のような水平補正・障害物回避といったハイテクな画像補正は搭載されていませんが、補正がシンプルなゆえに挙動が単純。
つまり狙ったところにカンタンに映像を投影できます。
ブルーライトフリーで子どもの寝かしつけに最適
GV30は小さいお子さまの寝かしつけにも最適。
うちでは寝る前に親子で天井シアターを見るのがルーティン。
寝る前にスマホやタブレットを見るとブルーライトで目がチカチカしたり、寝つきが悪くなったりして心配なものです。
GV30はブルーライトフリーなので、寝る前に使用しても目がチカチカしにくいです(明るい場合は設定で明るさ調節可能)。
小さいお子さまでも安心して使えるといえます。
なお、GV30は2022年キッズデザイン賞を受賞しています。
落としても安心!0.7mの落下衝撃耐性
モバイルプロジェクターはどこにでも手軽に置ける反面、落下リスクがはらんでいます。
そんな私も、不注意からベッドサイドのテーブルからGV30を落としてしまいました。。
が、普通に使えてます。
小さいお子さまやペットと暮らしていた場合、思いもよらない落下がありえます。
落としても絶対壊れないというのはないでしょうが、落下衝撃耐性があるのはプロジェクター本体も守れますし、なにより精神安定上かなりラクですね。
本格的なシアターサラウンド
モバイルプロジェクターではコンパクトさを優先する場合、スピーカーユニットを小さくする必要があります。
小さくしただけでは薄っぺらい音になってしまうので、音の広がりを持たせるためにスピーカーの配置などメーカーごとにこだわりを持たせてあるんですね。
他メーカーにないGV30の特長が2.1ch 16Wスピーカーを搭載していること。
270°に広がるサウンドに加えて、サブウーハーによる重低音は圧倒的な臨場感をプラスしてくれます。
もちろん別途サウンドバーを用意すれば迫力のある音は出せますが、プロジェクター本体内蔵で手軽にどこでも迫力のあるサウンドが楽しめるのはGV30ならではのよさと感じました。
GV30レビュー
写真をまじえてGV30のレビューを行っていきましょう。
サイズはやや大きいものの安定感バツグン
BenQ GV30のサイズは120 x 196 x 185 mmです。
重量は実測で1,675g。
持ってみるとズッシリとした重量を感じるものの、指をひっかける取っ手がついているので、持ち運びはしやすいです。
正面 | 右側面 |
左側面 | 後ろ |
BenQ GV30のカラーは白色です。
白く丸いフォルムで思わず「心がホッと」する、温かみのあるデザインです。
付属品は専用キャリーバッグ付き
「BenQ GV30」の付属品は以下のとおりです。
- GV30(本体)
- リモコン
- 単4電池×2
- 電源アダプター
- 電源コード
- Android TVのワイヤレスドングル
- クイックスタートガイド
- 保証書
- 専用キャリーバッグ
電池も付属しているので、届いたらすぐ使えます。
BenQ GV30ファブリック生地の専用キャリーバッグが付属。
キャリーバッグの中は、GV30専用の形状です。
衝撃も吸収してくれる構造になっており、持ち運びにも便利だと感じました。
付属品も含めてきれいに収まるので気持ちいいです。。
パソコン接続も可能なUSB-Cポート
BenQ GV30の入力インターフェースは以下のとおりです。
- HDMI
- USB-C
- オーディオ出力(3.5mmミニジャック)
- 電源ポート
HDMIポートは、ゲーム機・パソコン・ブルーレイレコーダーと接続できます。
息子はNintendo Switchをつないでゲームをするのがお気に入りの使い方です。
動きの速いFPSゲームは遅延を少し感じるものの、スプラトゥーン・マリオカートなどのアクションゲームであれば問題なく楽しめます。
BenQ GV30で便利と感じたのが、USB-C端子です。
(45W15V/3A)以上の出力に対応するモバイルバッテリーを使用できるほか、Display Portにも対応しています。
会社・取引先でのプレゼンもBenQ GV30・パソコン・USB-Cケーブルで完結しますから、移動の際の荷物が少なくてすみます。
デメリットとしては、プレゼン内容よりもBenQ GV30の方に興味が沸く方が多いです(実話)
GV30は 720p画質
100インチでスクリーンに投影したもの
BenQ GV30の画質はHD (1280 x 720 ピクセル)です。
名称 | 解像度(横×縦) | 画素数 |
4K | 3,840×2160 | 8,294,400 |
フルHD | 1,920×1080 | 2,073,600 |
HD | 1,280×720 | 921,600 |
FWVGA | 854×480 | 409,920 |
屋上の看板の細かい文字などは少し荒さを感じるものの、十分きれいなものです。
カジュアルに使うのには十分な画質だといえます。
また、黒の部分の沈み込み具合が深く、コントラストにもしっかり奥行きがあります。
コントラスト比が低いと、色彩に欠けた薄い映像になりがち。
BenQ GV30はコントラスト比100,000:1と高いので、メリハリのある映像を楽しむことができます。
映像の明るさは300ANSIルーメン
昼間・照明下
夕方・カーテン有
暗所・夜
映像の明るさについては、照明の下・昼間の明るい環境下での視聴は向いていません。
コンパクトなモバイルプロジェクターではサイズの制約で、光量の大きいランプが搭載できないためです(他メーカーも同様)。
明るい場所でプロジェクターを視聴するポイントは、投影面に照明・太陽光が直接当たらないようにすること。
カーテン・ブラインドを閉めたり、照明を消したりすることで、昼間でも快適に視聴できますよ。
暗室にできる部屋・夜間はしっかり輝度がでており、十分な明るさを備えていると感じました。
BenQ GV30はバッテリー駆動時には、100ANSIルーメン固定となりますので、明るめの場所で観るときはアダプター接続するのが望ましいです。
機能性
GV30でNetflixを観る方法
BenQ GV30は「Android TV 9.0」はNetflix正式非対応です。
そのため、メニュー内にNetflixアプリがないものの、「Apps Manager」経由であれば、BenQ GV30単体でもNetflixが視聴できます。
以下で詳しく説明しますので、自分のやり方にあった視聴方法を選んでくださいね。
BenQ GV30でNetflixを観る3つの方法
1. 本体にApps Managerをインストールする
- プロジェクターの Google Playストアから「Apps Manager」をダウンロード
- 「Netflix」アプリを「Apps Manager」からダウンロードします
- すべてのNetflixアクセスを許可します
- Netflixアプリを操作するには、スマホの「BenQ Smart Control アプリ」を使用
2. ワイヤレスでキャストする
パソコン(Windows/Chrome/MacOS)のChromeブラウザを使ってNetflixをストリーミング再生し、プロジェクターにワイヤレスでキャストします。
※Netflix著作権保護の関係により、モバイル端末からのミラーリングには対応していません。プロジェクターのWireless Projectionアプリを起動して確認してください。
3. Netflix対応デバイスをHDMIで接続する
Apple TV/Amazon Fire TV /ゲーム機/パソコンなどをプロジェクターとHDMIで接続し再生します。
ピント合わせ・縦台形補正
映像のピント合わせについては、オートフォーカスです。
縦台形補正も自動で行ってくれるので、天井投影時などに余計なセッティングをしなくていいのでラクです。
iPhone・Androidからのミラーリングも可能
BenQ GV30は同じWi-Fi環境下であれば、iPhone・Android・Mac・PCとミラーリングが可能です。
ミラーリングとは
- iPhoneやAndroidの画面を「テレビやPCなどの他のデバイスに映す」機能です。デバイス内にある写真・動画を大画面で共有できます。
ミラーリングはスマホのYouTube動画をプロジェクターで映すときに非常に便利です。
YouTubeもカンタンにミラーリングできるので、YouTube派の方にもオススメです。
GV30のバッテリーの持ち
バッテリー残量 | 電源インジゲーター表示 |
60%~ 100% | 緑 – 2 回点滅 |
21%~ 59% | オレンジ色 – 2 回点滅 |
0%~ 20% | 赤 – 2 回点滅 |
BenQ GV30はバッテリー内蔵で、本体のみで2.5時間の動画・音楽再生が可能です。
バッテリー残量の確認は、電源ボタンをすばやく2回押します。
比較
モデル | GV11 | GV30 | GV31 |
---|---|---|---|
特徴 | エントリーモデル | スタンダードモデル | ハイエンドモデル |
サイズ | 113.5 x 153.3 x 140mm | 120 x 196 x 185 mm | 131.3 x 203.2 x 191.4 mm |
重量 | 約970g | 約1,600g | 約1,700g |
明るさ | 200 ANSIルーメン | ANSIルーメン | 300300 ANSIルーメン |
解像度 | FWVGA (854×480) | (1,280×720) | HD (1,920×1,080) | フルHD
ピント調整 | 手動 | 自動 | 自動 |
スピーカー | 5W x1 | 8W(ウーファー) 合計16W | 4Wx28W(ウーファー) 合計16W | 4Wx2
端子 | ・HDMI ・USB-A | ・HDMI ・USB-C (PD入力) | ・HDMI ・USB-A ・USB-C (PD入力) |
Andorid TV | ○ | ○ | Netflix対応 | ○
最長駆動時間 (動画/音楽) | 2.5時間/4時間 | 2.5時間/4時間 | 3時間/5時間 |
キャリングケース | ○ | ○ | × |
価格 (実勢価格) | 49,800円 | 79,800円 | 99,800円 |
メーカーHP | GV11 製品ページ | GV30 製品ページ | GV31 製品ページ |
詳細記事 | GV11 レビューをみる | ― | GV31 レビューをみる |
BenQ GV30・GV31・GV11で比較すると、BenQ GV30は性能とコスパのバランスの高さが特長になっています。
GVシリーズのおもな違い
- 解像度
- 明るさ(ANSIルーメン)
- スピーカー
- ピントの自動調整
BenQ GV30の解像度はHD (1,280×720)です。
フルHD(1,920×1,080)のGV31に劣ってしまうものの、画質的にはおおむね満足できるものです。
135°角度調整はシリーズ共通なので、セッティング不要で天井投影もカンタン。
GV31にも搭載されている、サブウーファー内蔵16Wスピーカーで音の臨場感も高いです。
解像度・Netflix正式対応にこだわりがなければ、価格もリーズナブルなBenQ GV30を選ぶのが間違いないといえます。
比較的リーズナブルな価格で購入でき、映画・ライブなど「より高いクオリティー」で楽しめる点がGV30の価値です。
よくある質問
- 100インチの大きさで視聴するためにはどのくらいの部屋の広さが必要ですか?
-
BenQ GV30を100インチで視聴できる距離は2.7mです。部屋の形状にもよるものの、6畳間の広さがあれば十分視聴可能です。
最適な視聴距離と画面サイズ
- 100インチ 2.7m
- 90インチ 2.4m
- 2.1インチ 2.1m
- スクリーンは必要ですか?
-
スクリーンがあればクオリティーの高い映像が味わえるものの、カジュアルに使うのであれば壁紙でも十分楽しめます。ただし、壁紙の種類によっては凹凸が目立ってしまうので注意が必要です。
さまざまな材質の壁紙に投影した場合の画質を比較した記事はコチラ↓↓↓
- GV30のメンテナンス方法は?
-
基本的にメンテナンス不要です。レンズに埃がついたら電源を落としてエアブローしてください。汚れやシミがついた場合は、レンズ クリーニング ペーパーまたはレンズ クリーナーで湿らせた柔らかい布でレンズの表面を軽く拭きます。
まとめ
BenQ GV30を使った印象は【性能とコスパの高さのバランスが高い】こと。
比較的コンパクトなサイズでありながらも、HD画質・2.1Chサウンドでどこの部屋で投影した場合でもコンテンツへの没入感が非常に高いこと。
クルっと回すだけで、床から天井まで投影でき、面倒なピント合わせなどは不要で使い勝手も優秀でした。
デザインとともにモバイルの利便性を追求した、ユーザーに寄り添うBenQの思想を具現化している商品といえるでしょう。
うちにBenQ GV30がやってきてからは、寝る前には家族みんなで天井シアターです。
10歳の息子を持つ父としては、家族で過ごす時間が増えて非常に嬉しい!
正直、もっと早く買っておけばよかったと思える逸品でした。