この記事は株式会社 藤忠インターナショナル様より製品をご提供いただき、作成しています
こんにちは!
りくぴいです。@rikupii_gadget
長時間ゲーム・在宅ワークをしたりするのに欠かせないゲーミングチェア。
Andaseat(アンダシート)は、日本での販売が浅く知名度は高くないものの、造り込みのよさ・品質などに定評があり世界50か国で販売されているゲーミングチェアブランドです。
コスプレ・ゲーム配信でも有名な、えなこさん@enako_cosがアンバサダーを務めるのでご存じ方も多いでしょう。
今回レビューするのは、「Andaseat Phantom3 S」。
人間工学に基づいたオフィスゲーミングチェア「Phantom3」をベースとしたスモールモデルで、一般的なゲーミングチェアでは大きくて床に足がつきにくい人でも安心して使えるのが特長です。
身長164cmの私は常々思うのです。
『大体のゲーミングチェアは大きく感じる。足届かないし。。』
理由は簡単で、多くのゲーミングチェアは人間の標準平均身長の170cmに合わせて設計されているものが多いからなんです。
私はAndaseat Phantom3 Sを長期間使っています。
低い座面高と合わせて、座面の長さ・背もたれの高さも小柄な体型に最適化されているため、チェアとの一体感が高いんですね。
座り心地については、硬さとやわらかさのバランスが高い反発力のあるクッション素材で、自動車ライクな座り心地になっているのも好印象。
自然と正しい姿勢が維持できるため、長時間の着座でも疲れを感じにくくなりました。
外観についてはパイピングを排した重厚感の高いデザインとなっており、『DuraXtra™レザー』の質感と相まって高級ゲーミングチェアに相応しいもの。
また、普段は見えない座面下の縫製までも超丁寧に仕上げられており、品質・技術力の高さをうかがい知れる部分です。
品質の高さもAndaseatが海外で人気な理由のひとつ
今回は「Andaseat Phantom3 S」を実際に使い込んで筆者が感じたメリット・デメリットを含めたレビューを行いますので、最後まで見てもらえると幸いです。
Andaseat(アンダシート)について
Andaseat(アンダシート)は、2007年に設立された中国のゲーミングチェアブランドです。
他のゲーミングチェアブランドと異なるのは、前身がメルセデス・BMWなど高級車やスポーツカーのシートを生産する会社だったということ。
シートメーカーの知見と経験をいかして、「座ることの快適さを徹底的に追求したケーミングチェア」を改良し続けてきました。
人間工学に基づいた高い快適性と品質は高い評価を受けて、2024年現在では世界50か国以上への商品の提供を行っています。
日本では2021年8月より、株式会社 藤忠インターナショナルが販売を行っています。
Andaseat Phantom3 S 詳細
Andaseat公式サイトより引用
モデル名 | Phantom3 S | Phantom3 |
---|---|---|
椅子の高さ (最大) | 124.5cm | 132cm |
背もたれの長さ | 76.5cm | 84cm |
背もたれの肩幅 | 55cm | 55cm |
左右肘掛け幅 | 51~53cm | 72~74cm |
座面奥行き | 45cm | 52cm |
シートベース幅 (サイド含む) | 52.5cm | 53cm |
ホイールベースの直径 | 70cm | 70cm |
ガスピストン | SGS認証 Class4 ガスリフト | SGS認証 Class4 ガスリフト |
推奨身長 | 150~170cm | 160~190cm |
商品重量 | 22.1kg | 22.8kg |
耐荷重 (通常時) | 150kg | 150kg |
耐荷重 (ロッキング使用時) | 120kg | 120kg |
カラー | ホワイト ピンク ブルー | グレー ピンク ホワイト ブラック |
価格 | 54,780円 | 55,980円 |
Andaseat 公式サイト | 公式HPで見る | 公式HPで見る |
AndaseatゲーミングチェアはハイグレードモデルのKaiserシリーズとスタンダードモデルのPhantomシリーズがあります。
Phantom3 Sは、Phantom3の機能はそのままに、お子さま・女性・小柄な体格の方に最適化された小型モデル。
座面の高さを低くしただけではなく、身長150cm〜170cmの体型にフィットするように、背もたれ・座面のサイズまでミリ単位で設計されています。
- 本革に近い質感と高い耐久性をもつDuraXtra™レザーの張地
- MagClap™システム(サイドカバーのマグネット取り付け)
価格は54,780円と決して安い価格ではないものの、高級ゲーミングチェアならではの上記機能も備えているのが特長です。
Andaseat公式サイトより引用
Phantom3 Sのカラーはホワイト・ピンク・ブルーの3色展開。
今回、提供していただいたカラーはブルーです。
可愛い青色をイメージしてたものの実際に見てみると、ティファニーブルーのような爽やかさと上品さを持ち合わせた色。
また、色付きのチェアは日の当たり方で色のコントラストが変わります。
明暗の差が立体感を生み出すことで、朝・日中・夜でさまざまな表情が楽しめるのもいいですね。
Andaseat Phantom3 Sの組み立て方
私はこれまでに10台以上のゲーミングチェアを組み立ててきました。
ゲーミングチェアの組み立ての中で、背もたれと座面の連結はもっとも苦労するところ。
一般的なゲーミングチェアでは背もたれを正しい角度に手で支えながらボルトを締めますが、ボルトの角度が合わず長丁場になりがちです。
今回組み立てたPhantom3 Sは、ゲーミングチェアの中でも組み立てがカンタンでした。
そのワケは2点。
- 背もたれ固定スライドレール装備
- MagClap™システム(サイドカバーのマグネット取り付け)
背もたれ固定スライドレールがあることで、ボルトを締める前でも背もたれが固定されるんですね。
1人で組み立てる場合でも、余計な力を使わなくてもすみました。
サイドカバーもマグネット取り付けのため、余計なボルト締め作業が不要で組み立てのしやすさにつながります。
以下では、Phantom3 Sの組み立てを写真を使って説明していきますね。
ウチの現場監督(ネコ)がサイズチェックをしてくれました。
梱包段ボールのサイズは、87×68×37cmで、総重量は25.6kgあります。
設置場所が2階の場合は段ボールを開封してパーツ単位で運搬するとラクに運べます。
取扱説明書を参考にパーツがすべて揃っているかチェックしましょう。
ホイールベースにキャスターを取り付けます。
梱包段ボール内の白い緩衝材を敷くと、フローリングの傷防止になります。
キャスターを5個すべて取り付け、ホイールベースをひっくり返してガスピストンを差し込みます。
カバーをかぶせたら安全な場所へ移動します(誤って踏むと転倒の恐れがあるため)。
座面を横に倒した状態でアームレストを付属のネジで取り付けます。
アームレストには左右があります。
写真では分かりづらいですが、アームレスト裏にあるL・Rの刻印を目安にしてください。
背もたれにあらかじめ取り付けてある4本のボルトを外します。
左側のリクライニングブラケットを後ろ側に倒しておくのがポイントです。
背もたれ右側のブラケットを背もたれ固定レールにスライドさせながら装着します。
これで背もたれは手で支えなくても自立した状態になりました。
背もたれを必死で片手で支えながらボルトを締めこむ必要がないため、力が要らないのはいいですね。
落ち着いてボルトを2本、半分ほど締めます。
背もたれ左側は後ろ側に倒しておいたリクライニングブラケットを、起こすだけでOKです。
残りのボルト2本と、さきほど仮締めした背もたれ右側のボルトを完全に締めつけましょう。
サイドカバーはマグネット付きなので、背もたれのブラケットに合わせるだけでくっついてくれます。
取り付けがカンタンなうえにネジ穴がないので見た目にもスマート。
ゲーミングチェアの組み立てでもっとも気を付けることは、背もたれ未装着でのリクライニングレバーの操作です。
強い勢いでレバーが倒れてケガにつながる恐れもあるほか、元の位置に戻すのには相当な力が必要だったりします(筆者経験あり)。
誤操作を防ぐために、Phantom3 Sにはリクライニングロックが装着されています。
これを手で取り外します。
取り外したピンはチャイルドロックとして使用できるので保管しておいてください
安全キャップを取り付けたらOKです。
チェアを下向きに倒して多機能チルト装置をシートベースの底面に取り付けます。
多機能チルト装置の向きにはFRONTシールがある方が座面前側です。
4本のボルトをすべて仮付けしたのち、完全に締めこみます。
先ほど組み立てたホイールベースを多機能チルトに差し込みます。
チェアを支えながらゆっくり起こせばOKです。
ヘッドレストはバックレストの上部に固定します。
ランバーサポートは固定バンドがないので置くだけです。
完成です!
私の場合、写真を撮影しながらの組み立てだったので45分ほどかかりました。
ふつうに組み立てれば30分ほどで組み立てられると思います。
座った時のサイズ感
『164cm男性』
座面を最も下げた状態
座面を最も上げた状態
私の身長は164cmと男性の中では比較的小柄で、ゲーミングチェアに座るときは足つき性をよくするために足置き(フットレスト)を使用しています。
最も座面を高くした状態でも、かかとまでしっかりと床についていますね。
安定感が高くラクな姿勢がとれるので、意識しなくても自然と骨盤を立てた正しい着座姿勢に導いてくれます。
座面幅は52.5cm(Phantom3は53cm)
一見タイトそうに見える座面も幅広かつ、サイドの立ち上がりが控えめなのであぐらも快適にかけました。
『153cm女性』
座面を最も下げた状態
座面を最も上げた状態
153cmの身長では一般的なゲーミングチェアは足がつかないことがほとんどです。
足置き(フットレスト)が欠かせません。
Phantom3 Sでは、少し座面を下げるだけでかかとが床についています。
彼女いわく、座面の長さが短いので膝がしっかりと曲げられてラクとのこと。
あぐらも快適そうですね。
アームレストをもっとも高い位置にすると膝上の空間がグッと広くなりました。
Andaseat Phantom3 S レビュー
Phantom3 Sはパイピングやヘッドレストの穴がなく、スポーティーというよりは重厚感あふれるデザイン。
高級車のシートのようなラグジュアリー感も持ち合わせており、インテリアを選ばないデザインになっているのが分かります。
以下では、Phantom3 Sの詳細を写真とともにレビューしていきます。
DuraXtra™レザーの質感
Phantom3 Sの張地には『DuraXtra™レザー』を使用。
『DuraXtra™レザー』とは、5,000回の耐傷検査をクリアした、Andaseatブランド独自のPVCレザーです。
特長は引っかき傷や汚れに強く、適度な柔らかさを持ち合わせていること。
PUレザーと同等の耐久性をもたせつつ、水分にも強いので汚れたら気軽に水拭きできるのも大きなメリットです。
PUレザーのメンテナンスは乾拭き推奨
触り心地としては、ナッパレザーのなめした革のような風合いで柔らかいです。
本革の質感と合皮の肌の馴染みのよさを上手くまとめているという印象。
座面の蒸れについては、28°の室温で半日デスクワークしても快適そのものでした。
ファブリック生地に比べると通気性には劣るものの、座面の蒸れは室内温度・湿度に依存するもの。
このあたりは他ブランドゲーミングチェアと同様で、夏であればエアコンや衣類で工夫することで蒸れは感じにくくなるかと思います。
座り心地
Phantom3 Sの座り心地は、硬めの座面の座りのよさと、やわらかい座面の肌あたりのよさを調律している、今までなかった座り心地でした。
クッション材は、ヘタリにくい特性も持ち合わせた、強度と弾力性のある60kg/㎥高密度成形フォーム。
座った瞬間は硬さを感じるものの、そのまま体重をのせるとクッションがわずかにたわみます。
この適度なたわみ具合と反発性がキモで、硬すぎずやわらかすぎないという絶妙な塩梅を出しています。
完全に個人の見解によるものです
座り心地は人それぞれ好みがありますから、ふかふかの座り心地がいい人にはすこし硬いと感じるかもしれません。
ただ、私のような腰痛持ちにはウレタンフォームの少し硬さがある方が腰を立てた作業姿勢が維持しやすいと感じました。
背もたれのホールド感
Phantom3 Sの背もたれは小柄な体型に合うようにサイズもコンパクトになっています。
ヘッドレスト・ランバーサポートを外した『素』の状態で座ってみると分かりやすいです。
頭・肩の位置がちょうどいいんですよね。
包み込まれ感が高く、しっかりと背中側に荷重分散できます。
背もたれが立体的で自然と背すじのカーブに沿う形状かつ、頭の位置でほんのわずかに前に傾いているので、頭のすわりも安定しています。
ゲーミングチェアは背もたれの真ん中から先端までフラットなものが多く、ヘッドレストで頭を支えることが多いです。
Phantom3 Sに関していえば、ヘッドレスト不要と思えるほど背もたれのフィット感はよいものでした。
このあたりの形状は自動車シートに通じるものでしょう。
リクライニング角度
Phantom3 Sのリクライニングは最大160°です。
リクライニング調節は25段階と細かく、個々の座り方に合わせた着座姿勢が可能です。
ランバーサポートは容易に取り外せるので、寝る姿勢によって外してみるのもいいと思います。
背もたれを90°の直立角度にすると、立体的な背もたれにより前傾姿勢にも対応。
FPSゲームやデスクワーク時でもより集中したいときに便利だと感じました。
高級ゲーミングチェアで採用されることが多い前方リクライニング。
Phantom3 Sには前方リクライニング機能はないものの、リクライニング角度のみで前傾姿勢がとれるため、作業体勢にも対応しているといえます。
座面の高さ調整
座面の高さは41.5cm〜48cmで調整可能です。
調整は座面右側のレバーで行います。
ロッキング調整
ロッキングはリクライニングレバーを左右にスライドすることで、ロック・解除と選択できます。
座面下のチルトテンションダイヤルを回すことでロッキングの硬さを調整可能です。
劣化してくると真っ先に『ギシギシ』と音が鳴る部分。
Andaseatゲーミングチェアは12万回のロッキング耐久検査をクリアしているので長期使用にも期待がもてます。
ヘッドレスト
ヘッドレストは張地と同じ素材・カラーで統一感があるものです。
シート同様、反発力のあるクッション性でしっかりと頭を支えてくれます。
肌が直接触れる部分でもあるので、座面とおなじく水拭きで常に清潔に保てるのはいいと感じました。
ランバーサポート
Phantom3 Sのランバーサポートはかなり大判で緩やかなカーブが特長です。
格安チェアのランバーサポートと大きく異なる点は、腰のカーブに沿った形状と反発力のあるクッション。←ここ大事。
ランバーサポートを固定するゴムバンドがないため前かがみになるとクッションがずれてしまうものの、腰のカーブにフィットしやすいため位置調整しやすいです。
高さ調整アームレスト
アームレストは上下可動式で、高さの調整幅は7cmで6段階の調整が可能です。
アームレストの幅は座面裏のボルトを緩めることで、±2cm調整できます。
自分好みにカスタマイズしてみるのもアリですね。
脚部(キャスター)
ホイールベースの素材は樹脂製です。
金属のツヤ感を伴うアルミ製には高級感では及びません。
ただし、ホイールベースの立体加工によりチープさを感じさせない工夫が施してあります。
キャスター素材はPU製なので、転がし音は上質かつ静かです。
ホイールベース自体は樹脂製でコストを抑えつつも、人が触れたり・聴いたりして感じ取れる部分は「上質に躾けられている」という印象です。
品質・保証
Andaseat公式サイトより引用
Andaseatは自社工場で製造を行い、自社での安全・耐久テストにクリアしたものだけを製品としています。
Andaseat独自の品質テスト
- 12万回のロッキング耐久検査
- 5000回の耐傷検査 など
工業製品はコストを抑えるために見えない部分は簡素な処理を行うことが多いです。
チェアであれば座面裏がいい例で、このあたりはブランドの思想・技術力がでてしまう部分。
Phantom3 Sは写真のように非常に丁寧に仕上げがなされており、正直かなり驚いた部分です。
保証期間についてはAndaseatのゲーミングチェアは5年間と他ブランドと比較しても長いです。
高いゲーミングチェアだからこそ長く使いたいもの。
保証対象は通常使用における自然故障なので、想定外の使い方・故意による故障は保証されない点には注意してください。
Andaseatはどこで買える?
- Andaseat公式Amazonストア
- ヨドバシカメラ
- エディオン
- ビックカメラ
- Joshin
- パソコン工房 など
Andaseatは試座可能な実店舗もあるので、購入前に近くのお店で試座してみるものオススメです。
在庫状況は各店舗・Andaseat公式X(旧Twitter)で確認できます。
まとめ
Andaseatゲーミングチェアの日本での販売開始は2021年8月。
ゲーミングチェア黎明期からの有名メーカー、AKRacing・DXRacerと比べると、日本での知名度はこれからといったところですが、ゲーミングチェア自体のレベルは非常に高いと感じました。
- シート形状
- クッションウレタンの密度
- 高級感のあるデザイン
Andaseatは前身が高級車・スポーツカーなどのシートを製造していたシートメーカーです。
スポーツカーやレーシングカーの座席の悩みを解決することを常に意識し、提供し続けていたこともあり、その証拠に座ってみると、自然と正しい姿勢がとれるんですね。
日常生活で例えるとランニングシューズです。
- ぶかぶかなランニングシューズ
- 自分に合ったピッタリなランニングシューズ
フルマラソン42.195キロを走るとすれば、後者のシューズの方が圧倒的にラクに走り切れます。
それと同じように長い時間座るデスクワークやゲームでも自分の身体に合ったものを使えば、より効率的に作業が捗るのは明確なこと。
今回、「Andaseat Phantom3 S」を使ってみて深く考えさせられました。
こいつはレベル高すぎぃぃ。
・勝てるゲーミングチェアが欲しい
・自分に合うゲーミングチェアが欲しい
そう感じたなら、ぜひ試座してみることをオススメします。